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小説・ゲーム・バンド、その他なんでも面白いもの、紹介していきます!

小説

凡人が天才を立ち回らせる-φは壊れたね

著者:森博嗣 出版:講談社 頁数:320頁 森博嗣シリーズ3つ目です。その名もGシリーズ。全作通して「○(ギリシア文字)は○○だよ」系というタイトルになっています。 こんな方にオススメ ・平々凡々な主人公に感情移入する方 ・森博嗣作品初めての方 ・森博嗣作…

超エンタメホラー小説-死と呪いの島で僕らは

著者:雪富千晶紀 出版:角川ホラー文庫 頁数:384頁 最近気づきました。私、角川ホラーが好きです。知らず知らずのうちに手に取っていることが多いです。 ホラーと銘打っている割には青春的なものだったり、ホラー要素が少なかったりして、エンタメ性に富ん…

現代の先にある幸せとは-ユートロニカのこちら側

著者:小川哲 出版:早川書房 頁数:336頁 こんな方にオススメ ・答えのない問いが好きな方 ・哲学にも興味がある方 ・未来のテクノロジーなどが気になる方 ザ・サイエンスフィクション。 豊かな人生とは何か。何を犠牲にしても、芳醇な生活を手に入れたいの…

多重人格の最も怖い使い方-十三番目の人格ISOLA

著者:貴志祐介 出版:角川ホラー文庫 頁数:401頁 相変わらずこの著者は知識の幅が広すぎる。研究しているのだとしたらどこまで深く研究しているのでしょうか。人の心理を煽る方法を熟知しすぎている。 こんな人にオススメ ・心理学や精神病などに興味があ…

交錯し続ける人生-ラッシュライフ

著者:伊坂幸太郎 出版:新潮文庫 頁数:469頁 遂に読みましたラッシュライフ。読まず嫌いをしていた伊坂幸太郎。 同僚にゴリもゴリ押しされ手を出しました。 読了の感想としてはなんとうまく作りこめられている作品か、、、!ってとこでした。 ふんだんに盛…

青臭い主人公モドキ-密閉教室

著者:法月綸太郎 出版:講談社 頁数:362頁 こんな人にオススメ ・サクサクと進む軽快なミステリーが読みたい方 ・高校生のころを思い出したい方 ・高校生のころ自分を世界の主人公だと思っていた方 あらすじ 舞台は湖山北高校。早朝登校した女子生徒梶川笙…

促された純愛-恋する寄生虫

著者:三秋 縋 出版:KADOKAWAメディアワークス文庫 頁数:322頁 エログロどんでん返し系じゃない本も読みますよ。 というアピールをするための記事です。 まずはあらすじから。 あらすじ 「何から何までまともではなくて、しかし、紛れもなくそれは恋だった…

サイコの思想とは-殺戮にいたる病

著者:安孫子武丸 出版:講談社 頁数:324頁 名作中の名作サイコ・ホラー小説。 あらすじ 「永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。冒…

一言で戦争は起こせる-虐殺器官

著者:伊藤計劃 出版:早川書房 頁数:432頁 夭折の作家、伊藤計劃のデビュー作『虐殺器官』。2007年に出版されました。 「ベストSF2007」国内篇第1位・「ゼロ年代SFベスト」国内篇第1位で、2010年にハヤカワ文庫から文庫版が刊行されました。 フジテレビ「…

もう一度青春をやり直したい-放課後に死者は戻る

著者:秋吉理香子 出版:双葉社 頁数:256頁 高校生の時に読んでおきたかった本の紹介を。 あらすじ 「病院で目が覚めると、冴えないオタクだった僕の見た目は、イケメンの姿に変わっていた。そうだ、教室の机に入れられた手紙で呼び出され、僕は誰かに崖か…

追ってくる自身-バイロケーション

著者:法条遥 出版:角川ホラー文庫 頁数:421頁 手に汗握るホラー小説はいかがでしょうか。 あらすじ 主人公は画家志望の女性。 ある日、新婚の忍はスーパーマーケットで偽札使用を疑われ、警察に通報されてしまう。しかしやってきた警察官・加納に連れて行…

ドストレートどんでん返し!-屋上のテロリスト

著者:知念実希望人 出版:光文社 頁数:366頁 エンターテインメント。 そう呼ぶにふさわしい小説です。 完全にジャケ買いをしましたこの本。 そして読了後見直して、思わず「おぉ、、、!」って声が漏れました。 やはり装丁まで楽しめるのも本の楽しいとこ…

本格ミステリのはしり-十角館の殺人

著者:綾辻行人 出版:講談社 頁数:512頁 1987年に出版された綾辻行人のデビュー作です。 上記画像は2007年に出版された新装改訂版のものです。 「館シリーズ」第一作として注目を集め発行部数は100万部を突破しています。 日本ミステリー界に大きな影響を…

愛憎とは-ラバーソウル

著者:井上夢人 出版:講談社 頁数:678頁 今まで1,000は優に超える量の書籍を読んできましたが、最も心に残った小説がこの『ラバーソウル』です。 重い・暗い・どんでん返し。 三拍子そろってます。ネタバレにならない程度に紹介していきます。 あらすじは…

超自然ファンタジー-華竜の宮

著者:上田早夕里 出版:早川書房 頁数:398ページ(上)458(下) 海面が上昇し、陸地が極めて少なくなった25世紀の地球が舞台となっているファンタジー長編です。 あらすじはこちら。 「ホットプルームによる海底隆起で多くの陸地が水没した25世紀。人類は未曾…

爽やかマイノリティ-1/2の騎士

初野晴、おすすめの作家です。 この『1/2の騎士』、700頁弱と、割と分厚いので二の足を踏んでしまう方もいらっしゃるかと思います。 ですが、一度読み進めればあっという間に引き込まれること間違いないです。 ちなみに著者の初野晴の代表作はマンガ化なんか…

逆転劇と言うには生ぬるい-その女アレックス(原題alex)

徐々に趣味嗜好が明らかになっている気がしています。 今回も暗い本の紹介です。 文春文庫から、2014年9月に出版された『その女アレックス(原題alex)』、著者はピエール・ルメートルで翻訳は橘明美です。 あらすじは下記の通り。 「貴方の予想はすべて裏切ら…

才覚たちの妙-黒猫の三角

以前書いた、森博嗣の『すべてがFになる』の別シリーズ1作目、『黒猫の三角』の紹介をしたいと思います。 Vシリーズといわれる連作ものになっており、S&Mシリーズとの相関もありますが、そこを書いてしまうとネタバレになってしまうので、ご興味ある方は読ん…

理不尽の果てに-イノセント・デイズ

2017年3月1日に新潮社より出版されました、「イノセント・デイズ」 著者は早見 和真です。 ・早見 和真について デビュー作は『ひゃくはち』で、自らの経験を基に書き上げた名門高校野球部の補欠部員を主人公とした物語。 今回ブログで取り上げるのは、デビ…

軽量級重工ファンタジー-ブルータワー

ご無沙汰しております。 今日は石田衣良の『ブルータワー』の紹介をします。 ・あらすじ 悪性の脳腫瘍で死を宣告された男の意識が、突然200年後にタイムスリップする。そこは黄魔という死亡率87%のウイルスが猛威を振るう、外に出ることは死を意味する世界。…

緻密な世界設計の折-新世界より

『新世界より』 2008年の日本SF大賞を受賞した作品です。 本作のあらすじは以下の通り。 「ここは病的に美しい日本(ユートピア) 子供たちは思考の自由を奪われ、家畜の様に管理されていた。 手を触れず、意のままにものを動かせる夢のような力。その力があま…

青春って泥臭い-青空のルーレット

今回は小説の紹介です。 今回は短めにサクっといきます。 『青空のルーレット』 著者:辻内智貴 出版:光文社 皆さんご存知でしょうか。 2007年には塩谷瞬主演で映画化されました。 その原作は、単行本は2001年に、文庫版は光文社文庫から2004年に出版されま…

思考することの深さ-すべてがFになる

記念すべき、1記事目は敬愛する森博嗣の処女作について書きたいと思います。 すべてがFになる 森博嗣の記念すべき一作目であり、1996年の第一回メフィスト賞を受賞した作品です。 私が読書というものにどっぷりつかり始めるキッカケはこの一冊でした。 小説…