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もう一度青春をやり直したい-放課後に死者は戻る

著者:秋吉理香子

出版:双葉社

頁数:256頁

 

高校生の時に読んでおきたかった本の紹介を。

 
あらすじ

「病院で目が覚めると、冴えないオタクだった僕の見た目は、イケメンの姿に変わっていた。
そうだ、教室の机に入れられた手紙で呼び出され、僕は誰かに崖から突き落とされたのだった……
助けに入ったイケメンと一緒に。
退院した僕は、元いたクラスに転校生として潜入した。
一体、誰が僕を殺したのか?
僕は、僕を殺したクラスメイト探しを始める――。切なさと驚きに満ちたラストが待ち受ける、傑作長編ミステリー。」

 

クラスで空気のような存在の小山のぶおは、手紙で呼び出され、崖から突き落とされる。病院で目が覚めると、イケメンになっていた。記憶を呼び起こすとそのイケメンは崖から突き落とされたとき助けてくれようとしていた男であった。

状況から考えて犯人はクラスの中にいることがわかり、自分を殺した犯人を見つけるため元の自分のクラスへ転入するーーー。

 

導入はこんな感じです。

入れ替わり、自分を殺した犯人を探す、というありきたりな設定を用いているにも関わらず、結末が予想できなかったのはこの著者の凄いところ。

徐々に犯人像をつかんでいく主人公に対し、「真実を知る者」から犯人の探索をやめるよう連絡が入るなど、緊迫感を出すことも忘れないが、常に漂っているのは、青春ストーリー感。

 

スクールカールトの底辺にいるような主人公が、急に最上位にくる。サッカー部の所謂”ウェイウェイ”系の少年たちと接し始め、自らが距離を取っていたのだと気付く。

死んで初めてその点に気付かされるという切なさが胸を打ちます。

 

またこの入れ替わったイケメンが本当にイケメンすぎて辛い!!!!

顔もいい、家も裕福、ギターも超絶うまい、めちゃめちゃかわいい彼女がいる、ともうこんな人現実にいるかよってカンジです。

ただ、不思議と嫌みのないのがこの著者が書く登場人物です。

 

ありきたりなミステリーなためエンディングをいろいろと予想しながら読んでもよい意味で綺麗に裏切られます。

 

本当にサクサク読めすぎてしまうそんな青春ミステリーはいかがでしょうか。