やはりセンスには勝てない-世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
著者:山口周
出版:光文社
頁数:257頁
新書も読んでおります。
ので、たまにはこういった本の紹介もしようかと。
こんな方にオススメ
・ただガムシャラに働く、というタイプではないビジネスマン(ウーマン)
・美的なものに敏感な方
・普通、と言われるのが嫌いな方
周りとは一線を引いていて、いつも冷静でいようとするタイプの人はこういった本に興味が湧くのではないかなーと思いながら書いています。
内容紹介
グローバル企業が世界的に著名なアートスクールに幹部候補を送り込む、
あるいはニューヨークやロンドンの知的専門職が、早朝のギャラリートークに参加するのは、こけおどしの教養を身につけるためではありません。
彼らは極めて功利的な目的で「美意識」を鍛えているのです。
なぜなら、これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできない、ということをよくわかっているからです。
では、そのように考える具体的な理由はなんなのでしょうか?
【小見出し抜粋】
名門美術学校の意外な上顧客/「論理」と「理性」では勝てない時代に/
「直感」はいいが「非論理的」はダメ/哲学を鍛えられていた欧州エリート/
クックパッド紛争は「アート」と「サイエンス」の戦いだった/
アカウンタビリティは「無責任の無限連鎖」/
千利休は最初のチーフクリエイティブオフィサー/
経営者はなぜデザイナーに相談するのか?/エキスパートは「美意識」に頼る/
全てのビジネスはファッションビジネス化する/
なぜマッキンゼーはデザイン会社を買収したのか?/
システムの変化にルールが追いつかない世界/
エリートを犯罪から守るための「美意識」/マインドフルネスと美意識/
「偏差値は高いが美意識は低い」という人たち
序盤要約
何故美意識が尊ばれるのか。
1,論理的な情報処理スキルの限界
「正解」が画一化され始めていることに加え、「法本論としての限界」がある。現代では要素還元主義の論理的アプローチは機械的に行えてしまう。
2,市場の自己実現的消費が延びている。
世界が裕福に向かえば向かうほど現れる現象。
3,めまぐるしいシステムの変化にルールの制定が追い付かない。
個人個人の美意識に則った判断が肝要になる。現代はその質を上げる必要に駆られている。
いかがでしょうか?ちょっと気になりませんか?
その辺にあるビジネス書と違い、ちょいと尖ったこの感じ。
経営者としての視点に重きをおいて書かれていますが、個人的には社会人慣れてきたくらいの方々に是非読んでいただきたいと思っております。
是非に是非に。