かわいい面したヤツ-ジャックパーセル
初の試みです。スニーカーの紹介です。
いつも本と音楽とゲームの話をしていますが、私根っからのスニーカーフリークでして。
NIKE、adidas、CONVERSE、VANS等々、何足も所有しております。
今日はその中から一際かわいいジャックパーセルの紹介をします。
・JACK PURCELLとは
現在NIKEの傘下にあるCONVERSE社の代表的モデルとして人気のスニーカーです。
1932年に当時A.G.SPALDING&BROSの名称で知られていたスポルディング社と、バドミントンでのチャンピオンとして人気を得ていたJOHN EDWARD JACK PURCELL(ジョン・エドワード・ジャック・パーセル)氏がバドミントン製品での製造を契約したことから誕生したことが原点となります。
80年も昔からある、まさに王道のスニーカーです。
ジャックパーセルといえば、そのルックスに魅力が詰まっています。
フロントの顔がもうめちゃくちゃかわいいですよね!!
これのおかげでシンプルながらも味わいのある雰囲気に仕上がっています。
ジーンズにもスキニーパンツにも、ワイドパンツにも相性が良い、どんなファッションにも馴染むステキアイテムです。
オススメの色はやはりホワイトですが、ネイビーもなかなか甲乙つけ難い。
素材もキャンバス地からレザーまで意外と幅広くそろっています。
そこまで値段も張らないので、何種類か所有するのも良いのではないかな、と思います。
実際私もジャックパーセルは3足持っています。
このかわいさは履いてみないとわからないかと思います。
是非、↓から買ってみてください。
愛憎とは-ラバーソウル
著者:井上夢人
出版:講談社
頁数:678頁
今まで1,000は優に超える量の書籍を読んできましたが、最も心に残った小説がこの『ラバーソウル』です。
重い・暗い・どんでん返し。
三拍子そろってます。ネタバレにならない程度に紹介していきます。
あらすじはこちら。
「洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。女性など無縁だった男が、美しいモデルに心を奪われた。
偶然の積み重なりは、鈴木の車の助手席に、美縞絵里(みしま・えり)を座らせる。
大胆不敵、超細密。
ビートルズの名曲とともに紡がれる、切なく衝撃の物語。
空前の純愛小説が、幕を開ける――。」
醜悪な顔面を持ってしまった主人公、鈴木誠。直視できないほどの容姿のため、女声はおろか誰とも関わりが持てず、音楽雑誌に寄稿をし続ける暮らしを送っている。
人より秀でていることと言ったら、ビートルズに圧倒的に造詣が深いことくらい。
そんな彼がある日であってしまったモデルに心を奪われてしまう。
そこから始まるストーカー行為。
圧倒的筆圧で描かれるその描写が生々しく、陰鬱な気持ちにさせられます。
読めば読むほど主人公の独りよがりで歪な思考に嫌気がさしてくるかと思います。
ですが、そう思った時点でもう筆者の思うつぼにはまっています。
side-A・said-Bと視点が切り替わりながら進んでいきますが、同じシーンを別が視点で進んでいくことになるため、冗長に感じる面もあります。
ここが本書の欠点と言えるのではないでしょうか。
また、わかる方にはわかると思いますが、本書はビートルズの曲名に乗せて話が進んでいきます。
なので、詳しい方はその面でも楽しめるのではないでしょうか。
暗く重たく、陰鬱な文章が続いていき、一体どんな結末で締めてくれるのか、先が気になってしまい本を持つ手がどんどんとページをめくっていく、そんな体験ができること請け合いです。
好きすぎてあまり内容を語れないのがつらいですが、今回はこんなところで。
超自然ファンタジー-華竜の宮
著者:上田早夕里
出版:早川書房
頁数:398ページ(上)458(下)
海面が上昇し、陸地が極めて少なくなった25世紀の地球が舞台となっているファンタジー長編です。
あらすじはこちら。
「ホットプルームによる海底隆起で多くの陸地が水没した25世紀。人類は未曾有の危機を辛くも乗り越えた。陸上民は僅かな土地と海上都市で高度な情報社会を維持し、海上民は“魚舟”と呼ばれる生物船を駆り生活する。青澄誠司は日本の外交官として様々な組織と共存のため交渉を重ねてきたが、この星が近い将来再度もたらす過酷な試練は、彼の理念とあらゆる生命の運命を根底から脅かす―。」
最初に言っておきます。
よくわからない言葉が続々と出てきます。
けど、読み進めてください。
あっという間に夢中です。
主に登場するのは、陸上で生活する民とそれをサポートする知的生命体(AIだと思ってください)のペアと海上で生活する民とそれが操る魚船(人が住むことのできる鯨のような生命体)のペアです。
極小となってしまった陸地と、遺伝子改変によって産みだされた海上民。
陸上では海上民を保護しようという一派と駆逐せよという一派で争う。
海上においても生きる場所を奪い合う人間と動物。
陸上民と海上民でも争いが絶えない。
弱肉強食が続いていきます。
そこで描かれる各登場人物の人間臭さ。
壮大なストーリーではありますが、内包しているのは個々人の物語。
感情移入が止まりません。
陸対海、正義対権力、未来を信じる人々対世界のゆるやかな絶望。いろんな価値観のぶつかり合いがリアルで臨場感満点。
表に出てこない設定もたくさんあるんだろうなと思えるくらい説得力のある世界設定。
また主人公は熱血一辺倒ですが、それがまたいい。
絶望しかない世界で希望を産みだそうと奔走する主人公とそのパートナーが見せる絆に涙腺がやられます。
SFといえば電脳化や機械化された人間やロボットや整備された未来都市というイメージがあるかと思いますが、本書はいまある自然の延長で描かれています。
イメージとは違うSFがそこには広がっています。
この話では、沢山の人が死にます。 ただ生きていた人、最後まで抗った人、犯罪者、信念を持った人。 その死が悲しく、悔しく、惜しく思うけど、最後の一文が、すべてを慰めてくれる、そんな物語です。
爽やかマイノリティ-1/2の騎士
初野晴、おすすめの作家です。
この『1/2の騎士』、700頁弱と、割と分厚いので二の足を踏んでしまう方もいらっしゃるかと思います。
ですが、一度読み進めればあっという間に引き込まれること間違いないです。
ちなみに著者の初野晴の代表作はマンガ化なんかもされている『ハルチカシリーズ』かと思います。
あらすじはこのような感じ。
「“幸運のさる”を見つけた中学生が次々と姿を消し、盲導犬は飼い主の前で無残に殺されていくーー。
狂気の犯罪者が街に忍び寄る中、アーチェリー部主将の女子高生・マドカが不思議な邂逅を遂げたのは、この世界で最も無力な騎士だった。
瑞々しい青春と社会派要素がブレンドされた、ファンタジックミステリー。」
重度の喘息をかかえながらもアーチェリー部主将を務めている女子高生マドカと女装に血盟を注ぐ男の幽霊サファイア。
二人の軽妙なやりとりから繰り出される謎解きが読みやすさを産み、背中を押されるようにして読み進めてしまいます。
一方で少数派の犯罪者たちによって行われる殺人。安易な殺人ではなく、一風変わったこだわりを持って犯罪を行っている。
青春ストーリーと思って読むと痛い目をみるくらいには社会派な要素が多く取り入れられております。
昨今ダイバーシティだ、LGBTだなんだと言われておりますが、そこにいち早く反応した作品なのかもしれません。
重たさと軽妙さ、青春ファンタジーを兼ね備えた、おなか一杯になる一冊かと。
是非皆さん読んでみてください!
逆転劇と言うには生ぬるい-その女アレックス(原題alex)
徐々に趣味嗜好が明らかになっている気がしています。
今回も暗い本の紹介です。
文春文庫から、2014年9月に出版された『その女アレックス(原題alex)』、著者はピエール・ルメートルで翻訳は橘明美です。
あらすじは下記の通り。
「貴方の予想はすべて裏切られる――。
おまえが死ぬのを見たい――男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが……。
ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、慟哭と驚愕へと突進する。
「この作品を読み終えた人々は、プロットについて語る際に他の作品以上に慎重になる。それはネタバレを恐れてというよりも、自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思うからのようだ」(「訳者あとがき」より)。」
主人公は二人。
周りの男性をすぐに虜にしてしまう女性、アレックス。本書はこのアレックスが誘拐されるところから始まります。
「くたばるところを見てやる」としか言わない誘拐犯。ただ裸の状態で監禁されたままのアレックス。ここから同逆転劇が始まるのか、見ものです。
もう一人の主人公は、著しく背が低い刑事、カミーユ。最愛の妻を、自分が担当した誘拐事件で亡くし、第一線から退いていたが、上司の計らいにより再度誘拐事件の最前線に立つことに。精神的にもブレがあるが、被害者のために最善を尽くす点がとても強調されているキャラクタです。
考えられないほど狭い檻に閉じ込められ、理不尽な体勢で身動きもとれずまともな食事も与えられないアレックス。さらには鼠も放たれ、いつ身体をかじられるかもわからない極限な状況。
ここから大逆転劇が始まっていきます。
一方カミーユサイド。
手がかりがまるでなく、犯人も被害者の女性の素性もなかなか明らかにされない。そんななかでどう犯人を追いつめていくのか。、、、という点が見どころではなく、容疑者を取り調べするシーンに魅力が詰まっています。
論理的にだが人情にも訴えかけるように詰めていくシーンは圧巻です。
ただ一点注意しなければならないのが、グロいシーンがそこかしこに出てきます。
こう、、背筋が冷えるようなシーンも多いです。
もしそういったスプラッタな感じが大丈夫な方であればとても楽しめるかと思います。
是非読んでみてください。
技術に裏打ちされた圧倒的世界観-Hello Sleepwalkers
今日は、バンドの紹介をします。
「Hello Sleepwalkers」
ご存知でしょうか。
あまり知らない人も多いんじゃないかと思います。
アニメ「ノラガミ」でタイアップされたことがあるので、聞いたことあるくらいの方はいるかもしれません。
さわやかな声の男声。
一見すると、最近よくいる売れ線狙いのロキノン系ロックバンド。
しかしよく聴いてみると他の若手バンドとは一線を画していることがわかります。
まず構成ですが、男女ツインのギターボーカル、リードギター、ベース、ドラムの5人です。
たまに見るギター3人の編成ですね。大は小を兼ねるとは言いますが、殊バンドにおいてはそれが通用しません。むしろ音数が多くなりすぎてごちゃごちゃ聴こえてしまう可能性のほうが高いです。
ですが、このバンドはそんなことがない。3本目のギターが基本的にシンセのように飛び道具として使われているからです。
言葉にすると簡単そうですが、この飛び道具を違和感なくバンドサウンドに馴染ませるには相当なテクニック、音階の認識能力が必要となってきます。
この動画を見てもらえればわかると思うのですが、涼しい顔してとんでもない技術力を披露しています。(あまり音楽に明るくない方にも伝わるといいな、、、)
また、音作りに関してもロックバンドというよりかはちょい前のメタルのような、尖った音がちらほらと。ビジュアル面でもそうですけど、KANABOONとかSHISHAMOみたいなおとなしそうなバンドとはまるっきり別方向を向いているな、と私はそう感じました。
他にもドラムの演奏方法がやべぇ、とか、女声の力強さがすげぇとかあるんですが、専門的になりすぎてもあれなので、曲の紹介をして締めようと思います。
両ボーカルの力強さが存分に発揮された楽曲です。また冒頭に挙げた「円盤飛来」とビートがまったく異なることがわかるかと思います。
曲としてのピークもわかりやすくノリやすい。僕はこの曲でハロスリ(通称)が好きになりました。
ザ・飛び道具。
第一印象で冷たさを感じられるかと。
聴衆に寄せ、聴いている人たちの感情を歌うロキノンバンドとまさに一線を画す、ハロスリの真骨頂がここにあります。
普段の生活では見ることがないような、そんなイメージを想起させることができる、稀有なバンドだと思います。
1曲の中でもめまぐるしくピークが移り変わることを肌で感じてみてください。
オススメバンド紹介でした。
才覚たちの妙-黒猫の三角
以前書いた、森博嗣の『すべてがFになる』の別シリーズ1作目、『黒猫の三角』の紹介をしたいと思います。
Vシリーズといわれる連作ものになっており、S&Mシリーズとの相関もありますが、そこを書いてしまうとネタバレになってしまうので、ご興味ある方は読んでみるor調べてみることをお勧めします。
『黒猫の三角』あらすじはこちら。
「1年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、6月6日、44歳になる小田原静江に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静江は殺されてしまう。
森博嗣の新境地を拓くVシリーズ第1作、待望の文庫化」
こちらは『瀬在丸紅子の事件簿〜黒猫の三角〜』のタイトルでフジテレビ系列の『赤と黒のゲキジョー』枠でテレビドラマ化されました。
主演の壇れいが役にぴったりはまっていたのが印象的でした。
はい、相も変わらず密室殺人です。
ですが今回もキャラクタが魅力的!!!!!
密室トリックもさることながらキャラクタに引き込まれます。
前回と同じように一人ひとり焦点を当て紹介していきます。
元旧家の令嬢にして自称科学者。本シリーズの探偵役。かつては旧家の令嬢であり、桜鳴六画邸と呼ばれる屋敷に住んでいたが、瀬在丸家が落ちぶれてしまったことで、現在は市が管理する桜鳴六画邸の敷地内にある無言亭と呼ばれる小屋で、一人息子と執事と共に、細々と暮らしている。
令嬢らしく気品のあるしゃべり方をするが、時に傲岸不遜な口調になったり、一日もしくは一時で性格や機嫌が全く変わってしまうことも多々ある。保呂草曰く、彼女の思考は常に変化しており複雑なので一寸先も読むことができないらしい。その思考能力の一端として、S&Mシリーズにおける犀川創平と同様に「指向性が卓越している」と評されている。
そうです。天才です。論理的思考に裏打ちされた推理は大胆にして緻密な反面、世間知らずなお嬢様的資質が災いしてしばしば危機に陥ることもある、というS&Mシリーズの萌絵のような面があります。
保呂草潤平
無言亭の近所に位置するアパート、「阿漕荘」の住人。私立探偵と便利屋を兼業している。また、美術品に関しても精通しており、鑑定士を肩書きにすることもある。
他人の前では飄々とした態度をとるが、非常に頭のきれる冷静沈着な人物でもある。また、便利屋の仕事では盗品の売買や美術品の盗み、詐欺など犯罪行為も数多く行っている。それゆえに、錠前破りや格闘・護身術のエキスパートである。美に対しては独特の価値観を持っており、単なる所有欲や売買以外の目的で動くことも多い。長く外国を回っていたため、海外に知り合いが多く、また人脈も多い。
紅子に対して盲目的なところがあり、プロポーズめいたことを口にしたことも。また、彼女のためにこのシリーズを書いたことを告白している。
ちなみにこのVシリーズ、全編を通して保呂草の視点から描かれています。(後々この設定がトリックとなることもあるのが面白いです)
小鳥遊練無
無言亭の近所に位置するアパート、「阿漕荘」の住人。国立N大学医学部生。女性的な性格の持ち主で、男性でありながら女装癖があり、スカートが広がるファンシーな服装を好む。その一方で少林寺拳法の心得もあり、その実力はかなりのもの。
顔立ちがかわいらしく、比較的小柄で声も高い上に女装が似合いすぎているため、初対面の者には女装しているということが気づかれず、テレビ局などでは度々スカウトされるほど。本人曰く「スカートを履いていると戦闘の際、足の運びが分かりづらくなり、対戦相手に対して有利になる」とのこと。
紫子とは、互いに異性を感じていないかのようにつきあっており、「れんちゃん」と呼ばれている。自身の名前にちなんでのことかは不明だが、少々ふざけた発言の際、語尾に「 - なりね(なり)」とつけることがある。
女装癖かわいい系男子、登場です。もうすでに胸焼けしそうなキャラクタ勢ですね、、、
香具山紫子
無言亭の近所に位置するアパート、「阿漕荘」の住人。私立女子大生で文芸学部だが、ろくに大学には行っていない。男っぽい性格をしており、長身でショートカット、ボーイッシュな服装を好むため、男に間違えられることも多々ある。関西弁を操る。
保呂草に想いをよせている節があるが、自身でも今ひとつ確信できていない。両親は芦屋に住んでおり、アルバイトはしていない。練無に対して保護者気分でおり、実際に練無の感情面で大きな支えとなる場面もある。ホラーやスプラッタが苦手。練無からは「しこさん」、保呂草からは「しこちゃん」と呼ばれている。
メインは上記4人により話が進んでいきます。
他にも重要度で言えば紅子の息子や元旦那も高いのですが、ネタバレをしては元も子もないので、割愛させていただきます。
S&Mシリーズと異なる点はテンポ感にあります。
勢いよくがーっと進んでいくのがS&Mシリーズ、ちょいとスローにオシャレに会話を楽しみつつ謎が解けていくのがVシリーズ。実際『黒猫の三角』の中には注意しないと気付かないような謎がいくつもちりばめられています。
『すべてがFになる』が好きになった人であればお気に召すかと思います。
そのうち別シリーズの紹介もしようと思っています。
それでは!